オンライン診療の歴史について

オンライン診療は、今では馴染みのある言葉になったが、最初にオンライン診療ガイドラインが策定したのが1997年である。当時はオン来診療ではなく、「遠隔診療」と呼ばれ、へき地や離島に住む人、在宅の糖尿病患者などが医療を受けられるように、当時の厚生省が条件付きで正式に許可した。

しかし、当時はビデオチャットやテレビ会議などは一般的ではなかっただけではなく、離島に住む人など、限られた条件の人しか利用できないことから、普及しなかったのである。その後、厚生労働省から2015年に遠隔診療については医師の判断で行ってもよいという通達が各医療関係に送られた。そして診療報酬改定のタイミングである2018年の3月、ここで初めて「オンライン診察」と名称を変更したのだ。さらに、保険診療もできるようになったもこのタイミングだった。しかしこの保険診療には、厳しいルールがあり、オンライン診察適用の病気が限定されていたり、初回からの実施は不可能であったりと、利用しにくいのが難点であった。基本は対面診療であり、オンライン診察はあくまでも対面のサブ的な位置づけだったのだ。

しかし、2020年4月になり、保険診療でのオンライン診察のルール改正が行われ、初回からのオンライン診療が可能になった。どんな状態の患者でも、医師が認めれば診療できるようになったのだ。この改正の背景には、新型コロナウィルス感染症の拡大があった。現在、まだまだオンライン診療の普及率は低いが、これからより少子高齢化が進み、オンライン診療の需要は高まって行くと予想される。