オンライン診療という言葉は耳にするものの、実際のところ普及率はまだ低い。しかし今後、少子高齢化が進んでいく中で、需要が高まって行くと予想される。とはいえ、現在もオンライン診療が抱える課題も多く、それらをクリアしていくことは今後必須だろう。その課題の一つには、オンラインならではの、通信不良が考えられる。通信環境などによって、ネットワークが不安定になり、動画が途切れるなどのトラブルが起こる可能性がは大いにある。通信不良でコミュニケーションがうまく取れない場合、診察もスムーズに進まないのがオンラインの欠点といえるだろう。
また、オンライン診療は、対面の診療に比べて診療報酬が低いのも現状だ。それにも関わらず、システムの導入や運用には費用が掛かるため、対面から移行した場合収益性が悪いのはオンライン診療のデメリットといえる。また、どんな病気にも対応できるわけではない。実際の対面診療では、触診や聴診で判断できる病気もある。しかし、オンライン診療だと、触診や聴診ができないため、病気の種類によっては、オンラインに適していないこともある。さらに尿検査やレントゲンなどの検査もできないので、正確な診断に欠けるのだ。
そして、最も大きな課題として考えられるのが、病院まで行くことが困難な高齢者にとっては、スマートフォンやパソコンは不慣れで向かないということだ。スマートフォンやパソコンの操作に不慣れであると、受診に手間が掛かってしまうだろう。このように、オンライン診療にはまだ課題が残っており、高齢者にはハードルが高いといえる。